
こんにちは!Rist広報チームです。
今回は、京都大学のAIサークル「KaiRa(カイラ)」が主催するイベントに、弊社のエンジニア(Kaggle Grandmaster)が参加してまいりましたので、当日の様子をレポートします!
弊社と京大AIサークル KaiRaとの取り組み
弊社は、次世代のAI領域を担う若手人材の育成やコミュニティの活性化を応援すべく、京都大学を中心とした学生AIサークル「KaiRa」とスポンサー契約を締結しています。
単なる資金的支援にとどまらず、2か月に1回のペースで定例会を開催しています。定例会では、KaiRaメンバーの皆さんからサークル活動やAIプロダクト開発に関する課題・相談ごとをお伺いし、社会実装の最前線で活躍するエンジニア目線からアドバイスやフィードバックを届けています。
学生の皆さんの高い熱量と鋭いアイデアに、私たちも毎回大きな刺激を受けています!
イベント参加の背景
そんな日頃の深い繋がりから、今回のKaiRa主催イベントへの参加のご提案をいただきました。
そこで今回は、世界的なデータコンペティションで最高位の称号を持つ弊社Kaggle Grandmasterの小嵜、山口、石の3名が参加することになりました。
当日の発表内容とディスカッションの様子

当日の会場では、KaiRaメンバーの皆さんによるオリジナリティ溢れる研究・技術発表が行われ、弊社のKaggle Grandmasterエンジニアとの間で深いディスカッションが交わされました。その一部をご紹介します!
1. 「特徴的な口調を再現するLLM」についての研究発表
著名人の独特な語彙や言い回し(和洋折衷のキャッチーな造語を用いた口調)をLLM(大規模言語モデル)で再現する研究についての発表でした。LLMの内部表現に直接介入して出力を変化させる「ステアリングベクトル」という手法を採用し、語調の再現を試みたプロセスが共有されました。
一見キャッチーなテーマですが、実際には「ベースラインの内容から出力結果が予期せず変化してしまう」といった課題に対し、AI技術の観点から真剣に向き合われた見事な検証でした。弊社のKaggle Grandmasterエンジニアからも「出力に含まれるワード数が結果に影響を与えている可能性もあるため、ステアリングベクトル以外のアプローチも並行して試すとさらに精度が上がるかもしれません」といった実践的なアイデアが送られました。
2. 「ニューラルコラプスについて」の理論的発表
ディープラーニングの学習終盤において現れる現象である「ニューラルコラプス(Neural Collapse)」をテーマに、具体的な数式を交えた非常にハイレベルな理論発表が行われました。高度な数理的背景にまで深く踏み込んだ解析に、参加したエンジニアたちも感銘を受けていました。
3. 「あたたかいテクノロジー」についての思想的アプローチ
単にAI技術を追うだけでなく、「人とテクノロジーの望ましい共存形態」を問う深い発表でした。「退屈」な時間こそが人間の記憶の統合・定着を生むものの、スマートフォンや縦型ショート動画の普及によってその機会が損なわれている点に着目。「何もせずただ存在するだけでも価値が生まれるのではないか」といったユニークな切り口で、今後の、人とテクノロジーとの関わり方について議論が展開されました。
弊社エンジニアからは、「年齢とともに幸福の価値観は変化すると思う。自分は、できることや世界観を拡張するためにコンピュータサイエンスを活用するという視点もあると思う」と、自身の人生観や技術への向き合い方を交えたアドバイスが送られました。
発表者の方からも「世代やライフステージによって幸福の捉え方は変わるのかもしれない」と深い納得の声が上がり、その後も「スクリーンタイムによる制限」や「アプリ配置などのデザイン的アプローチ」といった実生活への落とし込みについて、活発な意見交換が行われました

発表が大盛り上がり!
学生の皆さんからの発表後、質疑応答や交流会を予定していましたが、発表やそれに対する意見交換が白熱したため時間不足となってしまうハプニングがありました。
弊社エンジニアも、学生の皆さんの圧倒的な学習意欲と技術への探求心に感銘を受けており、非常に濃密で有意義な時間となりました。
おわりに
ユニークなテーマをAIの観点から真剣に検証する姿勢や、数学的な理論、さらにはテクノロジーの倫理・人間性に関する考察まで、学生の皆さんの圧倒的な情熱と技術的探求心に弊社のエンジニアも大きな刺激を受けた一日となりました。
弊社はこれからも、2か月に1回の定例会や今回のようなイベント参加を通じてKaiRaのみなさんとのパートナーシップを深化させ、次世代を担うAIエンジニア・研究者の挑戦を全力でサポートしてまいります!
KaiRaのみなさん、素晴らしいイベントをご主催いただきありがとうございました!