R-plus+ #01 原山和之 / Salvatore La Bua

Rist staff interview #01 原山和之 / Salvatore La Bua

原山和之 2019年10月Rist中途入社
法政大学文学部心理学科卒業
ロボット開発チーム・エンジニア
大学卒業後ベンチャーへ就職。その3年後退社し、カナダへ2年間留学。
学生の時からプログラミングに興味を持ち、カナダではスタートアップの会社でサイトの制作。
帰国後はゲーム会社に転職し、その後フリーランスで大手企業のwebアプリの作成に携わる。
そして現在はRistロボット開発チームでDeep Roboticsのプロジェクトに貢献している。

Salvatore La Bua 2020年2月Rist中途入社
ロボット開発チーム・エンジニア
イタリア出身。
Rist入社前は、Termini Imerese(イタリア共和国シチリア自治州パレルモ県にある、人口約2万6000人の基礎自治体)のENEL(イタリアの大手電力会社)で電気/電子機器から機械のセットアップおよびメンテナンス等の業務を行い、企業安全保障の専門家としての経験を積む。
その後イタリアの大学に進学し、コミュニケーションロボット等の研究し、コンピュータサイエンス工学の修士号を持つ。
現在は原山と同様、Ristロボット開発チームでDeep Roboticsのプロジェクトに貢献している。


広報の岡本です。お待たせいたしました。オープン社内報「R-plus+」第二弾スタッフ紹介となります!
今回は、ロボット開発チームから原山さん、サルヴァトーレさんのお二人にお話をお伺いしていきます。
原山さんはカナダ留学経験があり、サルヴァトーレさんはイタリア出身、さらにロボット開発チームは他にも海外出身の方がいらっしゃいますよね。Ristいち、グローバルなチームのお話もお伺い出来ればと思います。では通訳してもらいながらになりますが、、
まずはAI・ロボットに興味を持った理由をお聞かせください。

原山:学生の頃に友人が起業して「Ruby」という言語でサイトを作っていて、その手伝いを始めたのがきっかけですね。
僕は文系で学部は違いましたが「HTML」や「CSS」の授業は履修できました。プログラミングのようなものを始めたのはそれが最初です。
その後、紆余曲折あり、前職で形態素解析アプリをクラウドに載せる案件に携わり、AIに興味を持ちました。
その頃はまだ全然周りにAIのことを聞ける人がいなかったので、最初は「ゼロから作るDeep Learning 」(著者:斎藤康毅 出版社:オライリー・ジャパン)の本を読んだりと、独学で勉強していました。僕には、難しくてよくわかりませんでしたが。

(形態素解析:ITの分野ではコンピュータによる自然言語処理の一つ)

サルヴァトーレ:私は、小さい頃から新しいことについて学びたいという気持ちを常に持っていて、特に最新のテクノロジーについて興味がありました。
その中でも、人類をサポートするために重要な役割を担っている「AI」と「ロボット工学」に興味があり、子供の頃から技術開発で社会の幸せに貢献ができるエンジニアになることが夢でした。
経験を積むために、大学入学前に電力会社で機械のセットアップ、メンテナンス等の業務をし、その後でイタリアの大学に入学することになります。
入学後はコンピューターサイエンスやプログラミングの研究、人と会話できるコミュニケーションロボットの勉強をしていました。

ヨーロッパの大学はどんな特徴があるんでしょうか?

サルヴァトーレ:アメリカの大学では、社会に出てすぐに使える技術の勉強をしますが、ヨーロッパの大学では、その学問に対して深堀するのが特徴ですね。
ベーシックなところをちゃんと勉強できるのが良いところと言えるでしょう。
しかしアメリカと違い、働くときに活かせる知識は少ないので、社会に出てから応用することが難しい印象です。
卒業後は、興味のある分野でさらなる研究をするために、私は日本の大学で博士号を取得することも考えていました。
ですが、いち早く社会に出たいと考え、大学には進まず、日本で仕事をすることに決めました。

ではもともとロボット開発に興味があってRistに入社されたのでしょうか。

サルヴァトーレ:そうです。日本でAI / ロボット工学の仕事を探しているときにRistを見つけました。
自分の成長が会社の成長に大きく繋がるような、素敵な会社で働きたいという想いがあったのですが、まさにRistはそのような環境だなと感じました。
ベンチャーであることと、優秀なメンバーがすでに多く在籍していて、一人ひとりの力が試される場所だと思ったので。
また、以前京都を訪れたことがあって、いつかこの街で暮らしたいと思っていたので、Ristを見つけた時はすごく嬉しかったですね。
入社前に社長の藤田さんとRist創業者の遠野さんと話していた時に、ROSというロボットを動かす言語を使って何かやりたいという話が出ていました。
ROSは今Ristで扱っているアームロボットや走行ロボットで使われていますが、私が大学で勉強していたコミュニケーションロボットでは使わない言語で、技術が全く違います。
なので、今まで学んできた技術と全然違う勉強をしなければなりませんでした。でも、そういった新しい挑戦こそ、私にとっては魅力的でした。

どんなロボットかによって使う言語が違ったり、言語にもいろいろ種類があるんですね。
もともとロボットを学ばれていたサルヴァトーレさんと違い、原山さんは今までは主にアプリ開発などをされていたとお聞きしました

原山:そうですね。僕はもともとロボットに関しては全くの未経験でした。
Ristに転職する前は、2015年の頭から約2年間カナダに留学していて、向こうではスタートアップの会社でサイトの制作をしていました。
帰国してからは半年間ゲーム会社に勤務し、その後フリーランスとして大手企業でwebのアプリなどの制作をしていました。
Ristの面接時にwebアプリ開発の話があるというのを聞いていて、ミスマッチじゃないなと思い入りました。

原山さんはwebエンジニアとしての経験を高く評価され、Ristに来て頂くことになったと聞いていますが、どういった経緯でロボット開発チームに入られたのですか?

原山:当時(2019年)はアプリやロボットなどのボジションが明確でなかった事と、翌年(2020年)の展示会でデモを出すことが最重要方針だったので、結果的にロボット開発チームに入ることになったんです。
ロボットに関してはRistに入ってから勉強しました。オンラインでロボットについて勉強できるサイト「Robot Ignite Academy」をひたすらやっていました。
そうしたら基礎的なところはできるようになります。そこからさらに学ぶことは本当に多いですが。
全く何も知らない状態から始めたので、Ristに入ってからは常に新しい学びがあって、ずっとチャレンジしている感じですね。それが楽しいところでもあります。

ロボット開発チームは「今までやったことがない」に挑戦している場所

お二人の所属されているロボット開発チームについて詳しくお伺いしたいと思います。業務内容やチーム内でのそれぞれの役割などはあれば教えてください。

サルヴァトーレ:全体的な業務としては、ロボティクス研究開発、ロボットの制御、モーション、知覚、操作・画像分析、認識、分類・AIアルゴリズム・UI/UXの設計と実装などを行っています。

原山:メンバーは全員で5名です。役割は特に決まっていなくて、それぞれ得意なことをやっていますね。
全体で、Deep Roboticsを成功させアピールできるようにと、常に試行錯誤しています。
ロボット事業を成功させることは、僕たちだけじゃできません。プロジェクトオーナーの柴さん、プロジェクトマネージャーの城口さん、他のメンバーみんながいてこそ成し遂げられることだと思います。
ロボット開発チームは「今までやったことがない」に挑戦している場所という感じで、正解の分からないこと、経験してこなかったことに日々チャレンジしています。それがこのチームにいて面白いなと感じます。

お互いを補完し合える、そんな関係性

ロボット開発チームは、Ristのバリューにも掲げている「挑戦を讃える」を全員で実現されてますよね。
メンバー間の協力、信頼、尊敬がすごく伝わってきて、本当に素敵だなと思います。
お二人の思うRistやロボット開発チームの魅力や良いところはなんでしょうか?

サルヴァトーレ:Ristの柔軟な環境もとても良いですが、Ristの一番の良さは、メンバーみんなが業務の中で常に親切で協力的なところです。
メンバーみんなが知識豊富で、お互いを補完し合える、そんな関係性が好きです。
私はRistへの入社が決まってからビザ取得まで時間がかかったので、その間にRistで扱うロボットに必要な勉強をしていました。いざ来てみると、すでに新しいことを学んでいる他のメンバーがいました。
自分が知らないことを他のメンバーは知っていたり、逆もしかりで、お互いに知識の補完をし合っています。
今すごくいい状況で、チームプレー、いいロボットチームができているのではないかと思います。

原山:僕はフラットなところが好きです。
フリーランスの頃に働いていた大手の会社では、やはり上下関係などが厳しかったので。
反対に、Ristはすごくフラットで、役職についている人も少ないし、いい意味でレベルがないというか。誰が偉いとか偉くないとかが、あまりないところが魅力に感じますね。
海外の会社も基本フラットなところがあって、言いたいことが言える環境です。Ristもその環境に似ていると思います。
海外の人が多く、英語が日常的に飛び交っているのも刺激的ですね。自分が通訳を担当することが多いので、英語ができるメンバーが増えると嬉しいんですけど(笑)

いつも通訳ありがとうございます。。海外出身のメンバーが多いところもRistの魅力ですよね。

原山:そうですね。カナダから帰ってきて英語を使うタイミングが日常生活で全く無く、それがずっと気になっていました。Ristに入ってから英語を使う機会、考える時間があるのがありがたいことです。

カナダで一番記憶に残っている出来事などはありますか?

原山:留学中で一番衝撃だったのは野生のエルクを見たことですね。デカかった。。
おそらくRistでエルクを見たことがあるのは僕だけだと思うのでちょっとした自慢です。

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すごいですね。グローバルな方が多いのでもしかしたら他に見たことある人もいるかも。。? (笑)
サルヴァトーレさんはどうして日本で仕事をしようと思われたのですか?

サルヴァトーレ:小さい頃からイタリアのテレビで日本の風景が流れているのをよく見ていたんです。
ヨーロッパとは全然違う風景があって、すごく綺麗で、いつか日本へ行きたいと思うようになりました。実際に日本で働いている今がすごくハッピーです。

日本の中でも京都を選ばれた理由は?

サルヴァトーレ:京都の古い建物や歴史が長いところが、ホームタウンのシシリア に似ています。
東京など他の主要都市と比べたときに、京都が一番自分のホームタウンに似ているので、繋がりを感じ京都で暮らしたいと思いました。

(※シシリア :シチリア連合・地中海最大の島であり、壮大な自然と歴史ある遺跡が多くある)

すごく素敵な場所ですね。いつか行ってみたいです。Rist社員旅行とかで。
では、話は戻りますが、今実際に世の中でロボットが使われているのはまだ一部かなと思います。近い将来は、ロボットがありふれていて、ロボットと共存する社会になってくるのでしょうか?

原山:2,3年くらいではあまり変化はないのかなっていう印象ですね。ROSとかの勉強していると技術進歩はそんなに早くないと思います。進歩はしているけど、スマホとか、webサービスに比べると民主化はしてないです。
文献も日本語のものは少なかったり、やってる人自体が少ないんです。ロボット”村”みたいになっちゃっているので。それが多くの人に広がっていけばいいんですけど。
また、ロボットの問題として、やはりハードウェアもソフトウェアも高いことが挙げられます。ハードウェアを動かすためのソフトウェアも一緒に広めないといけないので、それが難しいところです。

今後ハードウェアが安くなってきた時に、村から町に発展してゆっくり広がるというより、何かがあって一気にドカンとなるのかなと思うのですが。

原山:そうですね。iPhoneみたいなゲームチェンジ、iPhoneが初めて出てきた衝撃とかがあるのでは。
今までも分岐点は何度かあったけどまだ広まってはいない状況ですね。そういうのが作れたらいいなと思います。

なるほど。他に今後ロボット開発チームで実現させたいことや、製造業以外で興味のあることはありますか?

原山:まず案件を確実にとって、そのお客様の抱えている問題を解決できたら最高だと思います。
やはり問題を解決できたら、エンジニアとして喜ぶべきことですので。
「ロボット×AI」は一番思いつきそうな組み合わせだと思うので、研究しているものをサービスなりで普及させたいです。
またサルヴァトーレさんが研究していたコミュニケーションロボットをやってみたいですね。誰でも興味があるのかなとも思いますし。
あと最近は「Rust」に興味があります。

「Rust」とはなんですか?

原山:「Rust」はロボットでもwebアプリでも使える言語です。「Rust」技術力向上のために、最近社内でも「Rust部」が出来ました。プログラミングは意外と誰でもできるのでやってみると楽しいと思います。

サルヴァトーレ:興味があるもので言うと、例えば、エグゾスケルトン(人体に装着される電動アクチュエーターや人工筋肉などの動力を用いた、外骨格型、あるいは衣服型の装置)みたいなものを作ってみたいです。
けど、あれって機能が限定されているじゃないですか。なので、やはり一番実現させたいことはロボット×AIで何かをすることです。
「AI」は知識を入れられる。知識を入れると、そのロボットが考えて行動をすることが可能になります。そうすると人間を助けることができたり、人間の問題を解決することができます。
人を助けるためのロボット、汎用AIを作っていきたいと思います。その目標を2、3年後に達成できるように日々研究しています。

自分が作ったプログラムをリリースした時の喜びは何ものにも代え難い

では、最後にロボット開発のやりがいであったり、面白い点を教えてください。

サルヴァトーレ:たくさんのコードを組み合わせることで、非常に複雑な動きを自分の意図した通りにできると、とてもわくわくします。
難しいものを生み出せたとき、さらに新しい挑戦をする意欲が湧いてきます。これがロボット開発で一番面白いところですね。

原山:ロボット開発は、ハードウェアとソフトウェアのどちらもできる楽しさがあります。
ハードウェアに関しては僕はあまり詳しくないので、ボードを壊しちゃったりとか、それをメンバーに直してもらったりしたこともあります(笑)
ソフトウェアとは全然違ってあまり知識がないといじっちゃいけないんだな、と思いましたね。そこは日々勉強してるところです。
また、ゲーム会社で働いていた時の話ですが、自分の作った機能で何万人の人がプログラムにアクセスするわけじゃないですか。ロボットも同じで、自分の作成したプログラムが、大勢の人に利用されることを考えると恐怖を感じますが、それをリリースした時の喜びは何ものにも代え難いというか。だからやめられないです。自己満かもしれませんが達成感があります。

ありがとうございます。
このチーム力で Robotics事業を成功させてくれることと思います!今後の活躍に期待ですね。