
先日、こちらのニュースでお知らせいたしました通り、Rist所属の堀川由人が「JuliaCon 2023」に登壇いたしました。
今回は、現地での開催内容と、堀川のコメントをレポートにまとめてご紹介します。
概要
JuliaCon 2023は、プログラミング言語の一つであるJulia(ジュリア)についてのワークショップや講演会などが行われるコミュニティです。
Julia言語に精通した技術者や研究者など、世界中から参加者が集まります。
今回は4年ぶりのオンサイト開催で、アメリカのマサチューセッツ工科大学にて開催されました。

スケジュール
0日目
堀川:JuliaConは7月24日からの開催でしたが、前日23日のイベントとしてBostonの観光が企画されました。BostonにはFreedom trailと呼ばれる観光経路があり、その経路に沿って埋められたレンガに沿って歩くといろいろなBostonの名所を観光できるようになっています。

参加した観光ツアーの写真です。両足に豆ができました。
1日目
現地時間の7月25日〜29日にかけて行われたJuliaCon 2023。1日目は講演数が少なく、長尺のワークショップがメインでした。
堀川:Juliaには画像処理のためのパッケージとしてImages.jlがあり、そのパッケージに関するワークショップもありました。Images.jl周辺の開発にはPull Requestを送って開発に参加していたこともあるので、そのコア開発者の発表を直接聞けたのは面白かったです。
2日目・3日目
2日目に開催セレモニーがあり、Lighting talkや招待講演を含めた様々な発表が開始されました。

堀川:いろいろな面白い発表があったのですが、特に以下の発表が印象に残りました。
- BioMakie.jlによる可視化
- JuliaをArduino上で動かす試み
- Julia v1.9で導入されたPackage extensionの解説
- JET.jlの新機能
- NerfをJuliaで実装した解説
- SciMLでの微分方程式と機械学習の取り組み
- Stephen Wolfram氏の招待講演
■堀川
4日目
堀川は4日目に行われたLightning talkに登壇し、自身のX(旧:Twitter)でも紹介している、紙を編んで曲面を作る手法について、幾何学、弾性論、工作、Juliaを絡めた内容の発表を行いました。
発表についての紹介はこちら

堀川:英語能力に不安があったのですが、発表内容自体が面白かったので、講演後にいろいろな方からコメントをいただきました。
「You won the JuliaCon!」と声をかけてくれた方がいたり、Julia言語の創始者の一人であるJeff Bezanson(ジェフ・べザンゾン)さんからも日本語で「すごい!」と感想をいただきました。曲面模型のキットを頒布したのですが、これもウケが良かったようです。
発表の様子は、JuliaConの終了後に公式Youtubeチャンネルにアップされました。
堀川の発表動画はこちらです。
また、発表スライドの詳細はこちらからご覧いただけます。
全体を通じての感想
堀川:JuliaCon 2023ではワークショップや講演会が中心でしたが、オフ会のような雰囲気もあり、参加者とのコミュニケーションを楽しみました。

堀川:JuliaCon2023に参加した成果の一つは、これまでGitHubで一緒にパッケージを開発してきた人と実際に会って話ができたことです。これまでGitHubなどでディスカッションしてきた方々に覚えてもらっていたことは率直に嬉しかったです。
今回の貴重な経験を活かし、今後のJulia言語のOSS活動(※)や自身の技術力向上につなげていきたいです。
今回、業務の一環としてアメリカへの渡航費などを補助してくれた会社にはとても感謝しています。
また、JuliaCon運営側からも資金援助があり、参加しやすい環境を整えていただいたことにも合わせて感謝します。
※OSS活動とは、ソースコードを公開し共有することで、ソフトウェア開発者が協力してプロジェクトを進める活動です。
ボストン観光の思い出
堀川:今回の渡航では、ボストンの町並みを観光をする時間もありました。有名な観光地の様子はGoogleで調べればご覧になれますので、それ以外で私が面白いと感じた地元の人々の暮らしについてお話します。
まず驚いたのは鳥です。街中を当然のように七面鳥が闊歩しており、川辺には大量の水鳥がたむろしていました。見慣れない光景に驚きましたが、日本のアオサギも見慣れない外国人には同様の光景に映ると思うので、生物多様性とは面白いものです。
今回の滞在で1つ反省点は、キッチン無しのホテルを選んでしまったことです。地元のスーパーで並ぶ見慣れない食材(細い人参や様々な種類の玉葱)の光景が新鮮で、野菜それ自体も新鮮でした。これらの味が確かめられなかったことに後悔が残ります。今後、海外渡航の機会があれば、Airbnbなどでキッチン付きの滞在先を探したいと思います。




Ristは、今後も社員一人一人の技術力の向上を応援します。
そして、そこで培った技術・発想をお客様にも還元していきます。
JuliaCon 2023に参加された堀川さん、本当にお疲れ様でした。
これからのご活躍も楽しみにしています。
※記載されている会社名、ロゴ、システム名、商品名、ブランド名などは、各社の商号、登録商標、または商標です。