「WACV 2024」のWorkshopにRistインターン生の山際宏明が登壇いたしました

概要
WACV 2024は、毎年1月にハワイで開催されているコンピュータービジョン分野の学会です。コンピュータービジョンに関する最新の研究成果やアプリケーション、技術的な進歩を共有する場として、世界中から各分野の専門家や研究者が集まります。
今年は1月4日〜8日(現地時間)に開催され、招待講演やポスター展示、Workshopなどが行われました。

会場内の様子

1日目〜3日目
山際:最初の3日間は、ポスター発表やオーラル発表を聞きました。
特に興味深かった内容は、本会議でのDima Damenさんのkeynoteにあった、データセットに関する議論です。データを作成してからラベルを作成するか、ラベルを作成してからデータを作成するか、という内容の話だったのですが、私は普段の研究で既存のデータセットを使うことが多いので、データセットの作成について詳しく知ることができて勉強になりました。

また、ProcSim: Proxy-based Confidence for Robust Similarity Learningという論文のポスター発表も印象に残りました。この論文では、距離学習において誤ったラベルがデータセットの中にある場合でも、ロバストな学習を行う手法を提案していました。その中で、画像を2値化する際によく用いられる大津の2値化を用いて分布の閾値を決める話があり、面白かったです。

4日目〜5日目
山際:後半の2日間は、WACV 2024に採択された事前学習モデルに関するWorkshopを中心に参加しました。Björn Ommerさんのkeynoteではdiffusion modelについての紹介があり、なぜ diffusion modelが GAN (Generative Adversarial Networks)や VAE(Variational Autoencoder) よりも性能が優れているか、という説明は非常に勉強になりましたし、
最近のCVにおけるdiffusion modelのサーベイ論文についても新たな知見が増えました。

Workshopの様子

山際:4日目は、WACV 2024に採択された自身の論文についてポスター発表を行いました。
発表後の質疑応答では「提案手法を用いた応用例やモデルがあると面白いのではないか」「セグメンテーションマスクを減らす際の選択をもっと試してみるべきではないか」など、応用に関連する質問をいただくことが多かったです。
今回、論文に記載している手法は「小さなマスクを取り除き、残ったマスクをスペクトラルクラスタリングで結合することで性能が上がった」という内容だったので、今後はこの提案手法を用いて具体的なタスクに活かしていけると良いなと感じました。

山際がポスター発表した論文はこちらからご覧いただけます。

論文ポスターと一緒に映る山際さん

全体的を通じての感想
山際:今回、WACV 2024で様々な研究成果の発表を聞きましたが、単に性能を向上させる手法ではなくモデルの解釈性に着目したり、few-shot Learningで良い性能を達成できるかを検証した研究もありました。ノイズのあるデータセットで学習する際のロバスト性などに焦点を当てた研究もあり、全体的にタスクが細分化されているように感じました。

ハワイでのグルメや観光
山際:初めてのハワイでしたが、人気の観光地である理由が分かりました。
ハワイならではのアサイーボールや、ロコモコ、マラサダ(ドーナツのようなハワイのローカルフード)が思っていた以上に美味しかったです。現地のサラダやサンドイッチも美味しいので、会場の近くのスーパーに毎日通って食べていました。
ハワイの気候は暖かいのに湿気はほとんどなく、非常に過ごしやすかったです。

言うまでもなく、海や景色もすごく綺麗でした。会場のWaikoloa Beach Marriott Resort & Spaの敷地内にワイコロアビーチがあるので、昼休みや夕方に海を見に行っていました。

山際さん、本当にお疲れ様でした!
これからも大学院での研究分野におけるご活躍、Ristインターン生としてのご活躍、両方とも楽しみにしております。

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